海外発の人気決済代行サービスである、PayPal(ペイパル)とStripe(ストライプ)について、両サービスの特徴や手数料についてまとめてみました。
ネットビジネスなどで、オンラインでのクレジットカード決済の導入を検討している方は参考にしてみてください。
決済サービス概要
PayPal と Stripe の特徴を簡単にご紹介
海外発の決済代行サービス、PayPalとStripeの特徴について簡単に解説します。
PayPal(ペイパル)の特徴
PayPalは1998年に設立された、世界的に有名なオンライン決済サービスです。個人間の送金や企業の取引などに広く利用されており、200以上の国と地域で利用可能で、25以上の通貨に対応しています。
利用者は、クレジットカードや銀行口座を登録することで、簡単に送金や支払いができます。また、買い手保護制度により、商品未着や商品不具合の際には返金を受けられる安心感があります。
一方で、販売者にとっては、突然のアカウント凍結や高めの手数料などのデメリットもあるため、ビジネスの種類や規模に応じて利用を検討する必要があります。
Stripe(ストライプの特徴)
Stripeは2011年に設立された、開発者向けの決済プラットフォームです。APIやウェブサイトへの簡単な統合により、スムーズに決済機能を実装できるため、多くのスタートアップやテック企業に選ばれています。
また、定期課金や自動請求など、サブスクリプションビジネスに必要な機能も充実しています。135以上の通貨に対応し、Apple PayやGoogle Payなど、多様な決済方法をサポートしているのも特徴です。
手数料は取引金額の3.6%と分かりやすい反面、初期費用や月額費用はかからず、導入までの期間も短いため、小規模ビジネスでも導入しやすいサービスと言えるでしょう。
関連:WooCommerceとStripeを連携する方法!導入・設定・テスト注文までわかりやすく解説
PayPal、Stripeと合わせてチェックしてほしいサービス
PayPal、Stripeを比較する際には、あわせてSquareもチェックしてみましょう。決済手数料は3.6%、最短翌日入金、月額課金にも対応、ECカートの機能まで備えています。詳細は、「Squareオンラインビジネスの評判どう?実体験をもとにメリット・デメリットを徹底解説!」 の記事で解説しています。
PayPal、Stripeが導入できるECカート
PayPal、Stripeを導入することができるECカートに関しては、「【2024年最新版】ECショッピングカートを完全比較!よくわかる比較表で違いが一目瞭然」 の記事で比較表などで確認できます。合わせてチェックしてみてください。
PayPalとStripeのよくわかる比較表
基本情報の比較一覧表
PayPal
|
Stripe
|
|
---|---|---|
運営企業
|
PayPal Pte. Ltd. |
Stripe, Inc.
|
初期費用
|
無料 |
無料
|
月額費用 |
無料 |
無料 |
決済手数料 |
3.6% 参照元 |
|
カードブランド |
VISA・MasterCard・JCB・American Express・DISCOVER・銀聯カード | VISA・MasterCard・JCB・American Express・DISCOVER・Diners |
その他決済 |
銀行決済(みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・ゆうちょ銀行・りそな銀行・埼玉りそな銀行) 参照元 | Apple Pay、Google Pay、コンビニ決済など |
振込手数料 |
5万円以上:無料 5万円未満:250円/件 |
無料 参照元 |
入金サイクル |
引出依頼から3~6営業日(国内) 参照元 |
毎週 参照元 |
返金手数料 |
0円※既に支払いした決済手数料は返金されません。 |
0円※既に支払いした決済手数料は返金されません。 |
通貨換算手数料 |
4% 参照元 |
2% 参照元 |
年齢制限 | 18歳以上 未成年者は保護者の同意が必要 |
とくになし 未成年者は保護者の承諾が必要 |
セキュリティ対策 |
不正検知システム、売上保護、3Dセキュア対応 |
不正検知システム、3Dセキュア対応、カード情報の非保持化 |
付帯サービス |
請求書発行、定期支払い |
請求書発行、定期支払い、マーケットプレイス、在庫管理など |
導入難易度 |
APIあり、プラグイン多数 |
APIあり、プラグイン多数、審査不要 |
導入まで所要期間 |
2週間~4週間 参照元 |
最短数分程度 |
公式サイト |
PayPalは、ここ数年でいくつか変更があります。詳細は「ポリシーの更新」にて確認してみてください。
初期費用、月額無料で使えるネットショップ作成サービスを探している方は、「【2024年最新版】無料ネットショップ開設サービス徹底比較!おすすめアプリをご案内」 も合わせてチェックしてください。
PayPalとStripeの違いについて解説
事前に確認しておきたいポイント
PayPalとStripe、2つの決済代行サービスについて、事前に確認しておきたいポイントをご紹介します。
お客様目線で支払う手順が違う
2つのサービスの決済の流れを比較してみました
決済の流れ
|
会員登録
|
カード情報の保存
|
|
PayPal
|
ショップ→PayPal→完了
|
必要
|
保存できる
|
Stripe
|
ショップのみで完結
|
不要
|
保存できる
|
※Stripeも、同じ店舗で二回目に購入する際に、クレジットカード情報を安全に保存しておく機能は搭載されています。
PayPalは会員登録すればカード再入力の手間が省けます。
PayPalの決済フローは、まずユーザーが会員登録を行う必要があります。
登録後、お店のPayPal決済ページに遷移し、支払いを完了します。一度登録した会員情報は保存されるため、2回目以降の決済では再入力の手間がかかりません。
この仕組みにより、ユーザーは簡単で迅速な決済を体験できます。ただし、会員登録が必須なので、初回の決済では手間がかかる点がデメリットです。
Stripeはそのまま決済できるので購入を途中でやめてしまう「カゴ落ち」は軽減できる。
Stripeの決済フローは、一般的なネットショップの決済と同様で、お店のサイト内で完結します。会員登録は不要で、都度カード情報を入力して決済を行います。
PayPalのように会員登録のステップがないぶん、初回の決済はスムーズです。
同じオンラインショップで二回目の買い物をする際に、クレジットカード番号などを安全に保存する機能は搭載されています。設定でオフにもできます。
Stripeは簡単な手続きですぐに利用できる
Stripeは、必要情報を提供するだけで通常すぐに販売を開始できるため、スピーディーに決済機能を導入できます。
一方、PayPalでは本人確認書類の提出が必須となっており、審査に2~4週間程度かかることがあるため、すぐに利用を開始したい方にはStripeがおすすめです。
ただし、ビジネスの種類によってはStripeでも追加の審査が必要な場合があります。
実際にStripeに申し込みをして結果が届くまでの体験談は、「【審査期間】最短でStripe決済導入してみた!申込からアカウント有効化手順・リスクのある禁止業種まで解説」 にて解説しています。
また、Squareも同程度で導入可能です、合わせて体験談を、「【審査期間】Square決済を導入してみた!審査結果と追加書類・審査落ちの理由なども考察」 でチェックしてみてください。
Stripeの方が決済手数料が安い
Stripeの決済手数料3.6%は業界最安値水準です。どちらもボリュームディスカウントがありますが、その点を考慮しても「Stripe」の方が安いようです。
Stripeは入金手数料が掛からない
PayPalは入金手数料について「5万円未満:250円/件」という条件があるのに対して、Stripeは、振込金額に関係なく自動振込は無料です。
決済手数料も含めて、少額取引がメインであれば手数料だけで比較した場合に「PayPal」はオススメできません。
どちらも入金サイクルは早い
一般的なクレジットカード決済業者の入金サイクルは2ヶ月程度掛かるのに対して、PayPalとStripeは約一週間に一度という入金サイクルの短さが魅力的です。
Stripeは月額課金に対応している
Stripeは、定期的に発生する支払いを自動的に処理する機能を提供しています。これにより、サブスクリプションビジネスや会員制サービスなどで、毎月の課金を簡単に管理することができます。
月額課金の設定は、Stripeのダッシュボード上で簡単に行うことができ、料金プランの変更や、お客様ごとの課金サイクルの調整なども柔軟に対応可能です。また、課金に失敗した場合の自動再試行機能なども備わっており、料金の回収漏れを防ぐことができます。
一方、PayPalでも定期支払い機能は提供されていますが、Stripeほど細かな設定ができない点や、一部の国・地域では利用できない点などの制限があります。
そのため、月額課金を取り入れたビジネスモデルを検討している方には、Stripeの方がより適していると言えるでしょう。
月額課金システムに関する手数料などの比較は、「2024年版|月額・継続課金システム徹底比較!おすすめ業者の料金比較表掲載」 の記事で詳細に解説しています。
海外から支払いを受け取るならStripeがお得
海外から支払いを受け取る際には、為替手数料や通貨換算手数料が掛かります。支払い金額 x 為替レート x 通貨換算手数料になります。
Stripeの方が通貨換算手数料が安いため、海外からの支払いが多い場合はStripeがお得です。
どちらも禁止業種・商材の販売に注意が必要
PayPalとStripeは簡単に導入できる一方で、各サービスが定める「禁止業種」に該当する商材を販売していると、アカウントが凍結されるリスクがあります。違法なものやアダルトなどの販売は当然不可です。
両サービスの禁止業種については以下をご確認ください。
- PayPal:PayPal利用規定ポリシー
- Stripe:Restricted Businesses
特に無形商品や役務販売は全体的にリスクが高いとされています。役務販売とは、商品ではなくサービスを提供する販売形態のことを指します。例えば、コンサルティングやウェブ制作、デザインなどがこれに当たります。
Stripeは「パソコンの技術サポート」や「占い」なども明確に禁止業種としているので注意が必要です。
各種サービスや無形商品、役務商材の販売に関する詳細は、「2024年版|無形商品が販売できるネットショップを解説[占い・悩み相談・代行業など無形サービスの販売方法]」 の記事も合わせてご確認ください。
イラスト、音楽、映像など、デジタルコンテンツの販売を目的としている方は、「【2024年最新】デジタルコンテンツ販売方法を完全ガイド!サービスの選び方と成功のコツを解説」 も合わせて参考にしてみてください。
まとめ
海外発の人気決済代行サービスである、PayPalとStripeについて、両サービスの特徴や手数料についてまとめてみました。
PayPalはこんな方におすすめ
- 国内外の幅広い顧客層を対象にしたい方
- ブランド認知度の高さを活かしたい方
- 買い手保護制度による安心感を提供したい方
- 個人間の送金や企業間の取引にも利用したい方
Stripeは、こんな方におすすめ
- スピーディーに決済機能を導入したい方
- サブスクリプションビジネスを運営している方
- 多様な決済方法を提供したい方
- 開発者向けの機能を活用したい方
- 手数料を抑えたい小規模ビジネスの方
PayPalとStripeは、それぞれ異なる特徴を持った決済代行サービスです。PayPalは世界的な知名度と信頼性を誇り、個人間の送金や企業間の取引にも適しています。一方、Stripeは導入の容易さと多機能さが魅力で、特にサブスクリプションビジネスに力を入れている点が特徴的です。
手数料面ではStripeが若干有利ですが、ビジネスの種類や規模、ターゲット顧客層などを考慮して、自社に最適なサービスを選ぶことが重要です。また、SquareのようにPayPalとStripeの両方の長所を兼ね備えたサービスもあるので、比較検討の選択肢に加えてみるのも良いでしょう。
ネットショップ運営では、決済機能の選択が売上に直結する重要な要素です。自社のビジネスモデルに合った決済代行サービスを導入することで、顧客満足度の向上とスムーズな運営を実現できるはずです。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
また新しい情報などあれば更新していきます。