ネットショップを開業する際に準備しておきたい、ビジネス用の銀行口座について解説します。もちろん、ネットショップ以外のビジネスでも共通です。
事業用の専用口座は開業後に変更すると手続きが面倒になり、経理の手間も増えてしまうため、できるだけ早めに用意していくことがオススメします。
ネットショップ専用口座の必要性について
なぜネットショップ専用口座が必要なの?
まず最初に、なぜネットショップ専用の口座が必要なのかを説明します。
理由1.売上や経費がきちんと管理できない

売上や支出を追跡できなくなる可能性が高い
個人の生活費やネットショップの売上を同じ口座で管理すると、売上や支出をしっかりと追跡できなくなる可能性が高くなります。
経費の管理・証明がしづらくなる
個人用と事業用の入出金が混在すると、経費の根拠を示しづらくなるため、確定申告や税務調査の際に確認の手間が増える原因になります。
理由2.取引先が安心して入金できない

振込先が個人名では安心して振込できない
ネットショップで買い物をしたとき、振込先が個人名義だと、お客様は安心して入金できるとは限りません。
また、卸や法人との取引(BtoB)では、取引先が経理処理やコンプライアンスの都合から、事業者名(屋号)の口座を求めることもあります。
屋号でビジネス用の口座を開設しましょう
このような事態を解消するためには、お店の屋号(ネットショップの名前)などで、ビジネス用の口座を開設しましょう。
屋号口座がつくれるネットバンク
楽天銀行

ネット銀行口座数第一位のサービス
楽天銀行は、ネット銀行口座数第一位のネットバンクです。口座開設や振込管理をネット上で完結でき、楽天グループのサービスを利用しているネットショップ事業者にも使いやすい銀行です。
なお、ATM手数料が月最大7回無料になる「ハッピープログラム」は個人口座向けの優遇で、屋号付きの個人ビジネス口座は対象外です。ビジネス口座の手数料は通常の体系になる点に注意しましょう。
個人事業主が屋号入り口座を開設する手順
楽天銀行で個人事業主が屋号入り口座を開設するには、先に個人口座を開設したのち「個人ビジネス口座開設申し込み」が必要になります。口座名義は「屋号+氏名」となり、屋号のみでの開設はできません。
PayPay銀行(旧:ジャパンネット銀行)

PayPay銀行は、個人事業主でも屋号入り口座が作れる
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は、ネット完結で使える銀行口座サービスです。個人事業主向けのビジネス用口座にも対応しており、ネットショップの売上入金や事業用の支払い管理にも利用できます。
Webから申し込みでき、条件がそろえば最短当日で開設可能です(内容によっては日数がかかる場合あり)。口座名義は「屋号+氏名」で、屋号のみでの開設はできません。
VISAデビットカードも付帯している
PayPay銀行は、ビジネス用口座を申し込みすると、審査不要・年会費無料のVisaデビットカードが付帯します。
フリーナンス(by freee)|収納代行専用口座

フリーナンスとは
フリーナンスは、フリー株式会社が提供する、個人事業主・フリーランス向けの「お金と保険」のサービスです。
基本料金は無料。会員登録すると収納代行用の「振込専用口座」を開設でき、損害賠償を補償する「あんしん補償Basic」も無料で自動付帯します。
屋号やペンネームでも開設できる
振込専用口座は、屋号やペンネームでも開設できます。口座開設・維持費とも無料なので、事業用の振込先として活用できます。
なお、屋号で使う場合は開業届の写しの提出が必要です。また、2026年3月26日以降に登録・名義変更した場合は、口座名義の末尾に「/フリーユーザー」が付きます。
売上金・請求書を最短即日で現金化「即日払い」
minne・カラーミーショップ・SUZURIなどの売上金や、取引先への請求書を最短即日で現金化できる「即日払い」(ファクタリング)にも対応。手数料は3〜10%で、口座を使うほど下がります。
「あんしん補償Basic」とは
会員登録したユーザーに無料で付帯する、損害賠償補償サービスです。以下に一部を抜粋しました。
- 業務遂行中の事故・・・最高5,000万円(自己負担額20万円)
- 仕事の結果(PL責任)の事故・・・最高5,000万円
- 受託物の事故・・・最高100万円
情報漏えい・著作権侵害・納品物の瑕疵・納期遅延などの「業務過誤」は、無料のBasicには含まれません。これらもカバーするには、有料プラン(レギュラー/プレミアム)に付帯する「あんしん補償」が必要です。
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フリーナンスの評判は?即日払い・あんしん補償・メリット・デメリットを解説
フリーランス・個人事業主向けの「お金と保険」のサービスである、FREENANCE(フリーナンス)についてわかりやすく解説します。 実際に申込みをして、わからない部分についても聞いてみたので、ぜひ参考に ...
街の金融機関での口座開設方法
個人の体験談をもとに開設に関する情報をご紹介

ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行では、屋号名で活動していることが確認できる資料を提出すると、振替口座に屋号を「別名」として登録できます。
ただし、屋号だけの名義で使えるわけではありません。ゆうちょ銀行では、屋号を「別名」として登録し、口座名義である個人名と並べて表記する形になります。
別名の使用や事業用途での開設には審査がありますが、商品代金の受け取りや会費の徴収など、料金を受け取るための口座として利用できます。
振替口座なので、通帳もなし、利子もつきません。あくまでも料金を徴収するためだけの口座ですが、ネットショップの決済用としては十分利用できます。
振替口座を作るために持参する物は「開業届」「印鑑」「本人確認書類」「屋号名で活動していることがわかる資料」の4つです。
開設まで10日〜2週間程度かかります。
本来の利用目的上、会員規約や会員名簿などが必要になる場合もあるようですが窓口により対応が異なるようなので詳細は問い合わせてみてください。
都市銀行・地方銀行の場合
都市銀行、地方銀行での個人事業主の屋号入り銀行口座の開設は、銀行窓口にて申込を受け付けています。
持参するものは「本人確認書類」、「印鑑」、「開業届」、「屋号名で活動していることがわかる資料」です。
事業に関する資料に関しては、私の場合はネットショップのアドレスを伝えて、ネットショップの一部ページをプリントアウトして持参することで証明しました。
なお、法人口座の開設は個人事業主の屋号入り口座とは異なります。法人口座の開設には審査もあるため、2週間~3週間程度は口座開設までの時間が掛かります。
また、地方銀行の場合には職員の方が事前に連絡をして事務所に訪問確認がくることもあります。
あわせて準備しておきましょう
事業用のクレジットカードを用意しましょう

屋号口座から振替できるクレジットカードを選ぼう
最初に説明したとおり、売上や支出をきちんと管理するためには、経費などの買い物でつかうクレジットカードを作りましょう。屋号口座を登録できるビジネスカードであれば、基本的にどれでも問題ありません。
法人向けのインボイス制度・電子帳簿保存法にも対応できるカード

法人化してネットショップを運営するなら、インボイス制度や電子帳簿保存法に対応した法人カードが便利です。たとえば「バクラクビジネスカード」は、適格請求書発行事業者の自動判定や税区分の自動選択を備え、インボイス制度対応の手間を大幅に削減できます。
さらに、電子帳簿保存法にも対応しているので、領収書の原本保管が不要になり、ペーパーレス化を推進できます。年会費は無料で、最大1.5%のキャッシュバック特典も付いています。
ただし、バクラクビジネスカードは法人専用で、個人事業主・フリーランスは申し込みできません。個人事業主の場合は、屋号口座から引き落とせるビジネスカードを別途選びましょう。
まとめ

この記事では、ネットショップ開業時に用意しておきたいビジネス用の口座について解説しました。
個人用とビジネス用の口座を分けておくと、売上や経費の管理がしやすくなり、確定申告の際にも役立ちます。
屋号付きの口座が作れるサービスとしては、ネットバンクの楽天銀行・PayPay銀行、収納代行のフリーナンスが挙げられます。
普段使いできる本格的な事業用口座なら楽天銀行・PayPay銀行、プラットフォームからの入金受け取りや無料の損害賠償保険が目当てならフリーナンス、と目的で選ぶのがおすすめです。
なお「屋号だけ」の名義は、通常の銀行口座では作れません。楽天・PayPayは「屋号+氏名」、ゆうちょも屋号は個人名との並列表記になります。屋号・ペンネーム中心で受け取りたい場合は、収納代行のフリーナンスが選択肢です。
街の金融機関でも個人事業主の屋号口座は開設できますが、ネットバンクより審査は厳しい傾向にあります。法人口座はさらに審査が厳格で、開設まで2〜3週間かかることもめずらしくありません。
あわせて、事業用のクレジットカードも用意しておくと安心です。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応したカードを選べば、経理の効率化にもつながります。
口座とクレジットカードは、事業のスタートに合わせて早めに整えておきましょう。きちんと分けて管理することが、ビジネスを軌道に乗せる第一歩になります。


