昆虫飼育の人気が高まり、カブトムシやクワガタなどの昆虫販売のニーズが増えています。インターネットを活用すれば、全国の昆虫愛好家とつながり、ネットショップでの販売が可能です。しかし、昆虫販売に必要な資格や規制、販売方法など、わからないことも多いのが現状です。
そこで本記事では、カブトムシ、クワガタを中心に、昆虫販売のネットショップを開業する方法について解説します。昆虫販売ビジネスに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
予備知識
昆虫の販売には資格は必要ありません
ネットショップで昆虫を販売するのに、特別な認可や資格などは必要ありません。自分で捕まえた昆虫を販売することもできます。
ただし下記2つに該当する昆虫は販売はもちろん飼養もできません
国内希少野生動植物種
希少野生動植物種とは、日本にいる絶滅のおそれのある野生動植物のことです。捕獲や譲渡が規制、または禁止されています。
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国内希少野生動植物種一覧 | 自然環境・生物多様性 | 環境省
環境省のホームページです。環境省の政策、報道発表、審議会、所管法令、環境白書、各種手続などの情報を掲載しています。
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※クワガタムシ科:ヨナグニマルバネクワガタ、オキナワマルバネクワガタ、ウケジママルバネクワガタ
ピックアップ
2020年2月10日より、タガメなども「特定第2種国内希少野生動植物種」に指定されて販売が禁止されました。生体だけでなく「標本」の販売も禁止されているので注意してください。
特定外来生物
特定外来生物はもちろん駄目です。許可を受けていない者に対して販売や配布をした場合には、個人は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金となります。
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特定外来生物等一覧 | 日本の外来種対策 | 外来生物法
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ピックアップ
平成30年1月15日より、クワガタムシ科マルバネクワガタ属のうち、外国産の10種類が「特定外来種生物」に指定されました。
外来種10種類:アングラートゥスマルバネクワガタ、バラデバマルバネクワガタ、ギガンテウスマルバネクワガタ、カツラマルバネクワガタ、マエダマルバネクワガタ、マキシムスマルバネクワガタ、ペラルマトゥスマルバネクワガタ、サンダースマルバネクワガタ、タナカマルバネクワガタ、ウォーターハウスマルバネクワガタ
ネットで売れる昆虫の種類
どんな昆虫が売れているのか調べてみました
実際にどんな昆虫がネット通販で売れているのか調査してみました。
カブトムシ・クワガタ
外国産カブトムシ、オオクワガタあたりが人気です。成虫、幼虫どちらも販売されています。価格帯の売れ筋は、生体のペアで5,000円~10,000円あたりのようです。
爬虫類の生餌としてのコオロギ
爬虫類の生餌としてのコオロギは需要があります。オールシーズン需要があるため、副業としての養殖販売などは定期的に注目されます。
昆虫の販売方法
BASEで販売しましょう
無料ネットショップ作成サービスである「BASE」で販売しましょう。
「BASE」は、初期費用、月額固定費、一切無料です。クレジットカード決済も審査不要でお店の開店と同時に導入できます。
BASEは昆虫の販売が公式に認められている。
上記は、BASEで販売できない禁止商材です。
動物の生体及び生体の一部、生き物は禁止されていますが、但し書きにて「昆虫のうち、適法に販売することができるものに関しては販売をみとめます」と明記されています。つまり、販売しても問題ありません。
BASE以外はクレジットカード導入審査に不安がある。
「生き物」というリスクある商材のため、新規事業として立ち上げる際にはクレジットカードの導入審査は落ちてしまう可能性が十分にあります。
BASEの場合には、BASEが仲介してくれるエスクロー決済なので、クレジットカードもすぐに導入できます。
昆虫の梱包や発送方法について
プリンカップに「おがくず」や土を敷いて配送している店舗が多いです。
飼育ケースなどの仕入れについて
昆虫の飼育ケースなど、カブトムシに関連しそうな商材に関しては、国内最大級の仕入サイトである「NETSEA(ネッシー)」にて卸販売されています。
「NETSEA」は、会員登録は無料です。月額固定費なども一切掛かりません。個人でも登録できるので、開業する際にはチェックしてみてください。
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個人間取引サイトでは販売できないの?
ヤフオクのみ「昆虫」の販売ができます。ただし、取引相場に関しては、ネットショップで販売されているよりも安い金額で取引されています。
値段が安くなる要因は匿名性です。既製品ではない商材の場合には、匿名性が高いマーケットほど取引相場は安くなる傾向にあります。
ヤフオク以外では販売できません
ラクマは「生き物」が禁止されています。PayPayフリマは「動物の生体」が禁止されています。モバオクは「生体」がすべて禁止です。メルカリは規約に明記されていませんが「生き物」は出品できません。
BASEは住所や電話番号を非公開にして出店できる。
ちなみに、BASEは2022年1月20日より、出店者の住所や電話番号を非公開にできる機能が追加されました。詳しくはこちら:ネットショップは匿名で開業できるの
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Squareも昆虫の販売に利用できる(実店舗での販売にも最適)
BASEと同じく、初期費用、月額固定費無料で使える「Square オンラインビジネス」という、ネットショップ開業サービスも昆虫の販売に利用できます。
実際に問い合わせをして確認をしました
Square の利用規約を確認したところ、昆虫の販売に関する明確な言及はありませんでした。そこで、実際に Square に問い合わせてみたところ、以下のような回答をいただきました。
対面販売でも、Square オンラインビジネスを通じた販売でも、昆虫の販売に Square を利用することは可能です。
※この回答は 2024 年 7 月 4 日時点のものです。
つまり、Square アカウントをお持ちの方は、実店舗で昆虫を販売する際にも、ネット上で昆虫を販売する際にも、Square の決済システムを利用できるということです。
Squareは、BASEよりも決済手数料は安い
先に紹介した、BASEよりも決済手数料は安いです。
クレジットカード
決済手数料 |
ただし、クレジットカード決済以外の決済が利用できません。
Squareは、実店舗や屋外イベントなどでのキャッシュレス決済にも利用できる
「Square」は、専用のアプリをインストールすることで、お手持ちのスマートフォン(iPhone、Android)を決済端末として利用する機能が搭載されています。
スマートフォンさえあれば、導入費用0円、月額固定費0円で使えます。実店舗での決済はもちろん、屋外でのイベント、お祭りなどでの販売にも活用できます。
詳細は、「【Square】スマホでタッチ決済の評判は?使い方・メリット・デメリットまで徹底解説!」 のページで解説しています。
また、対面販売で使えるキャッシュレス決済端末の比較は、「【2024年最新】マルチ決済端末13選を完全比較!目的別の選び方」 もあわせて参考にしてください。
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ペライチも昆虫などの販売に利用できる
無料でホームページを作成できる「ペライチ」でも、2024年7月25日(木)に規約が改正されて、魚類や昆虫などの生体に関して掲載が許可されました。
-第12条「掲載を禁止する商品・情報」22項にて、一部ペライチでの掲載を認める内容に変更いたします※動物愛護法などを遵守したうえで、条件付き(販売時に義務が生じないと思われる魚類や昆虫などの生体に限る)にて、ペライチでの掲載を認めます。
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STORESでは昆虫などの販売はできません
BASEと同じように、無料ネットショップ作成サービスで人気の「STORES」、標本を除く昆虫・虫、生き餌、冷凍生き餌など、生体の一部とみなされるものは全て販売禁止となっています。
昆虫をネット販売する際の注意点
インスタグラムショッピングとの連携は避けよう
前述のBASEやSquareは、インスタグラムショッピングと連携する機能を提供しています。しかし、インスタグラムの運営元であるメタ(Meta)は動物の販売を禁止しているため、昆虫販売の際はこの連携機能を使わないよう注意が必要です。
メタの商用利用規定では、動物や動物の一部の販売が禁止されています。昆虫はこの規定の対象になると考えられるため、インスタグラムショッピングを利用すると、アカウントが制限される可能性があります。
まとめ
昆虫販売のネットショップ開業について、以下のポイントを解説しました。
2. 人気の昆虫は、カブトムシ、クワガタ、爬虫類の餌用コオロギなど。
3. BASE、Squareでは昆虫販売が可能。STORESでは不可。
4. BASEは出店者情報を非公開にでき、Squareは実店舗との在庫連携が可能。
5. インスタグラムショッピングとの連携は避ける。昆虫は動物に分類され、販売が制限される。
適切なサービスを選び、関連法規を確認して、トラブルのない昆虫販売を心がけましょう。特に、プラットフォームの規約をよく理解し、昆虫が動物として販売が制限される場合があることに注意が必要です。
SNSは集客に活用し、販売はネットショップに特化するのが賢明です。規約違反によるペナルティを避け、持続可能な昆虫ビジネスを目指しましょう。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
また新しい情報などあれば更新していきます。