海外発の人気決済代行サービスである、PayPal(ペイパル)とSquare(スクエア)について、両サービスの特徴や手数料についてまとめてみました。
ネットビジネスなどで、オンラインでのクレジットカード決済の導入を検討している方は参考にしてみてください。
決済サービス概要
PayPal と Square の特徴を簡単にご紹介
海外発の決済代行サービス、SquareとSquareの特徴について簡単に解説します。
PayPal(ペイパル)の特徴
PayPalは1998年に設立された、世界的に有名なオンライン決済サービスです。個人間の送金や企業の取引などに広く利用されており、200以上の国と地域で利用可能で、25以上の通貨に対応しています。
利用者は、クレジットカードや銀行口座を登録することで、簡単に送金や支払いができます。また、買い手保護制度により、商品未着や商品不具合の際には返金を受けられる安心感があります。
一方で、販売者にとっては、突然のアカウント凍結や高めの手数料などのデメリットもあるため、ビジネスの種類や規模に応じて利用を検討する必要があります。
Square(スクエア)の特徴
Squareは2009年に設立された、モバイル決済と販売管理のプラットフォームです。スマートフォンやタブレットを使って、どこでもクレジットカード決済を受け付けることができます。
Square端末を使えば、カードをスワイプ、挿入、タップするだけで簡単に決済ができます。また、請求書の発行やオンライン決済の受付など、販売管理に必要な機能も充実しています。
手数料は3.6%とシンプルで分かりやすく、初期費用や月額費用は一切かかりません。店舗販売だけでなく、オンラインショップや予約サービスなど、幅広いビジネスで活用できるのが特徴です。
さらに、売上管理や在庫管理、会計ソフトとの連携など、ビジネスに役立つ多様な機能を提供しています。小規模ビジネスにも導入しやすく、成長に合わせて機能を拡張できるため、長く使えるサービスと言えるでしょう。
関連:WooCommerceとSquareを連携する方法!導入・設定・テスト注文までわかりやすく解説
PayPal、Squareが導入できるECカート
PayPal、Squareを導入することができるECカートに関しては、「【2024年最新版】ECショッピングカートを完全比較!よくわかる比較表で違いが一目瞭然」 の記事で比較表などで確認できます。合わせてチェックしてみてください。
PayPalとSquareのよくわかる比較表
基本情報の比較一覧表
PayPal
|
Square
|
|
---|---|---|
運営企業
|
PayPal Pte. Ltd. |
Square株式会社
|
初期費用
|
無料 |
無料
|
月額費用 |
無料 |
無料 |
決済手数料 |
3.6% |
|
カードブランド |
VISA・MasterCard・JCB・American Express・DISCOVER・銀聯カード | VISA・MasterCard・JCB・American Express・DISCOVER・Diners |
その他決済 |
銀行決済(みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・ゆうちょ銀行・りそな銀行・埼玉りそな銀行) 参照元 | Apple Pay、Google Pay ※対面決済のみ対応 |
振込手数料 |
5万円以上:無料 5万円未満:250円/件 |
無料 参照元 |
入金サイクル |
引出依頼から3~6営業日(国内) 参照元 |
|
返金手数料 |
0円※既に支払いした決済手数料は返金されません。 |
0円※既に支払いした決済手数料は返金されません。 |
通貨換算手数料 |
4% 参照元 |
- 日本円のみ決済可能、海外通貨での決済には対応していません |
年齢制限 | 18歳以上 未成年者は保護者の同意が必要 |
18歳以上 |
セキュリティ対策 |
不正検知システム、売上保護、3Dセキュア対応 |
不正検知システム、3Dセキュア対応、カード情報の非保持化 |
付帯サービス |
請求書発行、定期支払い |
実店舗決済、請求書発行、定期支払い、ECカート機能、予約管理システム、売上・在庫管理など |
導入難易度 |
APIあり、プラグイン多数 |
APIあり、プラグイン多数、審査不要 |
導入まで所要期間 |
2週間~4週間 参照元 |
最短数分程度 |
公式サイト |
初期費用、月額無料で使えるネットショップ作成サービスを探している方は、「【2024年最新版】無料ネットショップ開設サービス徹底比較!おすすめアプリをご案内」 も合わせてチェックしてください。
PayPalとSquareの違いについて解説
事前に確認しておきたいポイント
決済の流れ
2つのサービスの決済の流れを比較してみました
決済の流れ
|
会員登録
|
カード情報の保存
|
|
PayPal
|
ショップ→PayPal→完了
|
必要
|
可能
|
Square
|
ショップのみで完結
|
不要
|
不可
|
PayPalは会員登録すればカード再入力の手間が省ける
PayPalの決済フローは、まずユーザーが会員登録を行います。登録後、お店のPayPal決済ページに遷移し、支払いを完了します。一度登録した会員情報は保存されるため、2回目以降の決済では再入力の手間がかかりません。
この仕組みにより、ユーザーは簡単で迅速な決済を体験できます。ただし、会員登録が必須なので、初回の決済では手間がかかる点がデメリットです。
Squareはそのまま決済できるので購入を途中でやめてしまう「カゴ落ち」は軽減できる
Squareの決済フローは、お店のサイト内で完結します。会員登録は不要で、都度カード情報を入力して決済を行います。
カード番号や暗証番号を入力する必要があるため、毎回手間がかかりますが、会員登録のステップがないぶん、初回の決済はスムーズです。ただし、カード情報を保存できないため、次回の決済時には再度入力が必要となります。
導入の手軽さ
PayPalとSquareは、どちらもオンラインでの申し込みが可能ですが、導入までのスピードではSquareに分があります。
Squareは必要な書類も最小限で、申し込みから利用開始までの手続きがシンプルです。また、実店舗向けの決済端末も無料で提供されており、設置や操作も簡単なので、オンラインだけでなく対面販売での導入もスピーディーに行えます。
実際にSquareに申し込みをして数分程度で結果が届くまでの体験談は、「【審査期間】Square決済を導入してみた!審査結果と追加書類・審査落ちの理由なども考察」 でチェックしてみてください。
一方、PayPalはアカウント開設後の審査に時間がかかることがあり、必要書類の提出など導入までのステップが多いです。ただし、ECサイトとの連携は得意で、多数のショッピングカートに対応しているため、オンラインショップへの組み込みは比較的容易です。
決済手数料
PayPalとSquareの国内取引における標準的な決済手数料は、ほぼ同様の3.6%前後ですが、詳細な料金体系は異なります。
Squareは月額料金やセットアップ費用がかからないシンプルな料金設定です。また、カード読み取り端末の利用料も無料です。
PayPalは3.6%に加えて、1件あたり40円の従量料金がかかります。また、海外取引の手数料は4.1%とやや高めです。
入金サイクル
Squareは最短で翌日に売上金を振り込んでくれるので、資金繰りがスムーズです。
PayPalは手数料無料の引き出しが可能ですが、売上金が5万円未満の場合は250円の引き出し手数料がかかります。また、引き出し依頼から入金までに3~6営業日かかります。
通貨換算手数料
PayPalは海外取引にも対応しており、200以上の国と地域で利用可能で、25以上の通貨に対応しています。ただし、通貨換算手数料として4%が上乗せされます。
Squareは基本的に国内取引がメインで、通貨換算のサービスは提供していません。海外展開を考えている事業者にはPayPalが適しているでしょう。
付帯サービス
「Square」は、販売管理や在庫管理など、実店舗向けの包括的なソリューションを提供しています。特に、POS(Point of Sale)システムが強力です。
2024年5月、Squareがスマホを使った新たなクレジットカード決済機能の提供を開始しました。iPhone・Android端末をタッチするだけで決済完了。専用の端末は必要ありません。もちろん初期費用・月額料金は一切かかりません。
詳しくは、「【Square】スマホでタッチ決済の評判は?使い方・メリット・デメリットまで徹底解説!」 の記事を参考にしてください。
一方、PayPalは請求書の発行や定期支払いの機能など、オンライン決済を中心とした付帯サービスを提供しています。
実店舗向けのマルチ決済端末の比較は、「【2024年最新】マルチ決済端末13選を完全比較!目的別の選び方」 を参考にしてください。
どちらも禁止業種・商材の販売に注意が必要
PayPalとSquareは簡単に導入できる一方で、各サービスが定める「禁止業種」に該当する商材を販売していると、アカウントが凍結されるリスクがあります。違法なものやアダルトなどの販売は当然不可です。
両サービスの禁止業種については以下をご確認ください。
- PayPal:PayPal利用規定ポリシー
- Square:Square利用規約
特に無形商品や役務販売は全体的にリスクが高いとされています。役務販売とは、商品ではなくサービスを提供する販売形態のことを指します。例えば、コンサルティングやウェブ制作、デザインなどがこれに当たります。
PayPalもSquareも、占いやなどを禁止業種としているので注意が必要です。各種サービスや無形商品、役務商材の販売に関する詳細は、「2024年版|無形商品が販売できるネットショップを解説[占い・悩み相談・代行業など無形サービスの販売方法]」 の記事も合わせてご確認ください。
イラスト、音楽、映像など、デジタルコンテンツの販売を目的としている方は、「【2024年最新】デジタルコンテンツ販売方法を完全ガイド!サービスの選び方と成功のコツを解説」 も合わせて参考にしてみてください。
そうですね。手数料と機能面では、Squareが優れているといえます。以下のように修正しました。
まとめ
海外発の人気決済代行サービスである、PayPalとSquareについて、両サービスの特徴や手数料についてまとめてみました。
PayPalは、こんな方におすすめ
- オンライン販売に特化したい方
- グローバルな事業展開を目指す方
- 買い手保護制度による安心感を顧客に提供したい方
- 多数のECカートとの連携を求める方
Squareは、こんな方におすすめ
- 実店舗販売を行っている方
- 導入の手軽さを重視する中小企業や個人事業主の方
- 売上管理や在庫管理などの機能も併せて利用したい方
- 迅速な入金サイクルを求める方
- 決済手数料を抑えたい方
- シンプルで分かりやすい料金体系を求める方
- オンラインと実店舗の販売を一元管理したい方
- キャッシュレス決済の導入を検討している方
総合的には、Squareの方がおすすめ
PayPalとSquareは、どちらも優れた決済代行サービスですが、総合的にはSquareの方がおすすめです。Squareは実店舗販売に強みを持ち、POSシステムや販売管理機能が充実しているだけでなく、導入の容易さと日本語サポートの充実度も魅力です。
手数料においては、Squareが3.6%と一律でシンプルな料金体系を採用しており、PayPalよりも割安になります。また、Squareは追加の費用が少なく、入金サイクルも早いというメリットがあります。
機能面でも、Squareは売上管理や在庫管理など、店舗運営に必要な機能が充実しています。個人事業主や中小企業でも導入しやすいよう設計されており、少ない技術的知識でスタートできる点も評価できます。
一方、PayPalはオンライン販売に特化したサービスで、グローバルな事業展開を目指す方にはおすすめです。買い手保護制度による安心感は顧客満足度の向上につながります。
自社のビジネスモデルや顧客層、求める機能などを総合的に考慮し、最適なサービスを選択することが重要です。決済代行サービスは事業の生命線ともいえる存在。慎重に比較検討し、売上アップにつなげていきましょう。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
また新しい情報などあれば更新していきます。