芸術やアート作品をネットで販売するには、適切なネットショップ作成サービスを選ぶことが不可欠です。
特に、新進気鋭のアーティストにとっては、限られた予算や時間の中で、自分の作品をいかに効果的に販売するかが重要な課題となります。
そこで、筆者が10年以上オンラインストアを運営してきた経験を活かし、これから名を上げていくアーティストにおすすめのネットショップ作成サービスを3つ厳選しました。
これから自分の作品をネットで販売したいと考えている駆け出しのアーティストの方、必見です!この記事を参考に、自分に最適なサービスを見つけて、作品販売の第一歩を踏み出しましょう。
はじめに:芸術・アート作品のオンライン販売の重要性
芸術・アート作品をオンラインで販売したときのメリット
近年、インターネットの普及により、芸術・アート作品のオンライン販売が急速に拡大しています。オンライン販売は、アーティストにとって以下のような重要な意味を持ちます。
メリット1. 直接的な販路を確保できる
オンラインでの販売は、ギャラリーを介さずにアーティスト自身が直接購入者に作品を販売できます。これにより、アーティストは販路を自ら開拓し、収益性も高められます。
メリット2. 24時間365日の販売機会が得られる
オンラインストアは、時間や曜日に関係なく常に営業しています。このため、購入者は自分の都合に合わせて作品を閲覧し、購入することができます。アーティストにとっては、常に作品を販売できる環境を整えることができます。
メリット3. 低コストでの運営ができる
オンライン販売は、物理的な店舗を構えるよりも低コストで運営できます。家賃や人件費などの固定費を抑えられるため、アーティストは販売価格を抑えつつ、利益を確保しやすいでしょう。
メリット4. 作品情報を充実させてアピールできる
オンラインでは、作品の詳細な説明や高解像度の画像を掲載できます。これにより、購入者は作品をよりよく理解した上で購入の意思決定ができます。アーティストは自身の作品の魅力を十分に伝えられます。
メリット5. ファンとの直接的なコミュニケーションがとれる
オンライン販売では、アーティストと購入者が直接コミュニケーションを取ることができます。これにより、アーティストはファンとの関係性を構築し、長期的な支援を得られる可能性があります。
アーティストがネットショップ作成サービスを選ぶ際のポイント
信頼感の高いサービスを選ぶ
知名度の低いアーティストがアート作品を販売する際には、信頼感の高いサービスを選ぶことが重要です。例えば、購入者の目線になれば、海外の馴染みのないサービスよりも、国内のサービスを選んだ方が安心感があります。
また、ネット通販では詐欺サイトも増えていることを考慮する必要があります。知名度の高い大手サービスを選ぶことで、ネットショップに訪れたユーザーは商品購入に踏み切りやすくなります。
プライバシーを守れるサービスを選ぶ
個人のアーティストがネット販売をする際に、プライバシーの問題は切っても切れません。特定商取引法では、ネットショップで商品を販売するためには、販売者の住所や電話番号などの記載が義務付けられています。ただし、まだ世に知られていないアーティストにとっては、これらの情報を公開するのは抵抗があるでしょう。
そこで、あなたの住所、電話番号などを非公開にした状態で販売できる3つのネットショップ作成サービスをピックアップしました。これらのサービスでは、サービス運営元が代理で企業の住所を公開してくれます。プライバシーを守れるサービスを選ぶことで、アーティストは自身の個人情報を晒すことなく、作品販売に集中できます。
シンプルで効率的なサービスを選ぶ
将来有望なアーティストにとって、ネットショップの運営は本業ではありません。制作活動やSNSでの発信など、アーティストとしてやるべきことは山ほどあります。そのため、ネットショップ運営には必要最小限の時間とエネルギーしか割けないのが実情です。
高機能なネットショップを自分で一から構築するのは非効率的です。シンプルな機能に絞られていて、直感的に扱うことができるサービスを選びましょう。初期設定も簡単で、面倒な手間が省けるサービスなら、アーティストは販売に集中できます。ネットショップは作品を販売するための手段に過ぎません。
シンプルで効率的なネットショップ作成サービスを選んで空いた時間は、作品制作やファンとのコミュニケーションにしっかりと充てていきましょう。
アートの販売に最適なネットショップ作成サービス3選
STORES(ストアーズ) - 初心者におすすめ!シンプルで使いやすいネットショップ作成サービス
最初におすすめするのは、STORES株式会社が提供する「STORES」というネットショップ作成サービスです。STORESは、初期費用や月額料金が無料から利用でき、個人ユーザーであれば住所や電話番号を非公開にしてアート作品を販売することができます。
シンプルで使いやすい、初心者でも迷わずにスムーズに作れる
STORESの最大の魅力は、そのシンプルさと使いやすさにあります。初心者でも迷うことなく、スムーズにネットショップを作成できるのが特徴です。この記事で紹介する3つのサービスの中でも、STORESが最も操作は簡単で、スマートフォンだけでネットショップを開業したい方にも最適です。
デザインのカスタマイズ性は他のサービスと比べると低いかもしれませんが、そのままの状態でも十分に洗練された印象を与えられます。デフォルトのデザインを使っても、プロフェッショナルなネットショップを作成できます。
月額無料のフリープランで十分機能が使えて、決済手数料も安い
また、STORESは決済手数料が安いことでも知られています。月額無料のフリープランでも、ほとんどの機能が利用可能なため、アート作品の販売に必要な機能は十分にカバーできます。
デジタルコンテンツ販売は海外のユーザーにも対応できる
さらに、STORESはデジタルコンテンツの販売にも対応しています。PayPalなどの決済サービスも導入できるため、海外のユーザーにも作品を販売したい実力派の新人アーティストにとって、STORESは最適なプラットフォームと言えるでしょう。
デジタルコンテンツのダウンロード販売を考えている方は、「【2024年最新】デジタルコンテンツ販売方法を完全ガイド!サービスの選び方と成功のコツを解説」 も合わせてチェックしてください。
運営事業者
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STORES 株式会社 |
初期費用 |
無料 |
月額費用 |
|
決済手数料 (クレジットカード) |
BASE(ベイス) - 自由なデザインでオリジナリティあふれるネットショップを作れる
次に紹介するのは、「BASE」というネットショップ作成サービスです。BASEも初期費用や月額料金が無料から利用でき、個人ユーザーは住所や電話番号を非公開にしてネットショップを開設できます。
今すぐ開業できる!エスクロー決済を採用している
BASEの特徴は、フリマアプリのようにエスクロー決済(仲介決済)を採用していることです。このため、クレジットカード決済などの導入に審査が不要で、すぐにネットショップを開業できるのが大きなメリットと言えるでしょう。
フリープランは機能制限なし、グロースプランは決済手数料が抑えられる
BASEのフリープランは機能制限がなく、全ての機能を無料で利用できます。ただし、決済手数料は他社サービスと比べると割高になります。一方、グロースプランなら決済手数料を抑えられますが、月額固定費は他社よりも高額になる点には注意が必要です。
STORESよりもカスタマイズ性が高い
BASEは、先に紹介したSTORESと比べるとデザインのカスタマイズ性が高いのが特徴です。自由にデザインを調整して、オリジナリティあふれるネットショップを作りたい次世代のアーティストにはBASEがおすすめです。
先に紹介した、STORESとの比較は、「【違いはココ】BASE vs STORES 完全比較!ズバリ最適はどっち?」 を参考にしてください。どのサイトよりも、詳細に2つのサービスを比較しています。
運営事業者
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BASE株式会社 |
初期費用 |
無料 |
月額費用 |
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決済手数料 (クレジットカード) |
カラーミーショップ - 高機能で拡張性が高い、本格的なネットショップ作成サービス
最後に紹介するのは、「カラーミーショップ」というネットショップ作成サービスです。カラーミーショップも初期費用や月額料金が無料から利用でき、個人ユーザーは住所や電話番号を非公開にしてネットショップを開設できます。
無料プランは機能制限が多い、有料プランがメイン
カラーミーショップには無料プランもありますが、基本的には有料プランがメインのサービスです。そのため、無料版では機能制限が多いという点には注意が必要でしょう。
高いカスタマイズ性、ただし難易度も高め
カラーミーショップのデザインカスタマイズ性は、STORESやBASEよりも格段に高いです。ただし、その分操作の難易度も高くなるため、サイト制作にかかる時間も長くなると考えていいでしょう。
WordPressとの連携で、メディアECにも最適
カラーミーショップのレギュラープラン以上では、WordPressと連携する機能があります。これにより、ブログなどのメディアとネットショップを組み合わせたメディアECを運営することもできるので、情報発信にも力を入れたい潜在能力を秘めたアーティストにはおすすめです。
分割払いに対応、高額商品の販売にも適している
さらに、カラーミーショップではクレジットカード決済で分割払いを導入できます。そのため、アート作品のように比較的高額な商品を販売する予定がある新進気鋭のアーティストにとって、カラーミーショップは最適なプラットフォームと言えるでしょう。
先に紹介した、STORESとの比較は、「【最新】STORES vs カラーミーショップ 完全比較!あなたに最適はどっち?」 を参考にしてください。
BASEとの比較は、「【違いはココ】BASE vs カラーミーショップ 完全比較!ズバリ最適はどっち?」 を参考にしてください。2つの記事をチェックしていただければ、3つのサービスの違いを把握していただけます。
運営事業者
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GMOペパボ株式会社 |
初期費用 |
フリープラン
0円
レギュラー/ラージ
3,300円 (税込)プレミアム
22,000円 (税込) |
月額費用 |
フリープラン
0円容量:200M|画像:4枚/商品
レギュラープラン
人気
4,950円 (税込)容量:5G|画像:50枚/商品
ラージプラン
9,595円 (税込)容量:100G|画像:50枚/商品
プレミアムプラン
39,600円 (税込)容量:100G|画像:50枚/商品
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決済手数料 (クレジットカード) |
芸術・アート作品の販売ができるハンドメイドマーケットプレイス
minne - 国内最大級のハンドメイドマーケットプレイス
国内最大級のハンドメイドマーケットプレイスである「minne(ミンネ)」でも、ハンドメイドのアート作品が数多く出品されています。minne利用者の9割以上は女性で、商品アイテムも女性向けが中心です。
ただし、minneには芸術・アートなどのカテゴリーがなく、取引価格も比較的安価な印象があります。本格的なアート作品の販売には向かないかもしれませんが、ハンドメイドのアート作品を手軽に販売したい方にとっては選択肢の一つとして覚えておくと良いでしょう。
Creema - 法人・事業者の出品が多いハンドメイドマーケットプレイス
続いて紹介するのは「Creema(クリーマ)」というハンドメイドマーケットプレイスです。Creemaは、minneに次いで利用者数が多いサービスとして知られています。
minneが個人の作家(クリエイター)の出品が中心だったのに対し、Creemaでは法人(事業者)の出品が目立つのが特徴です。ただし、Creemaにも芸術・アート専用のカテゴリーはありません。
こちらのサービスもアート作品の販売を検討する際は、ハンドメイドマーケットプレイスも選択肢の一つとして視野に入れておくと良いでしょう。
ここまで紹介した、STORES、BASE、minne、Creema、4サービスの比較は、「BASE・minne・creema・STORESを完全比較!手数料・機能・入金サイクルなど」 のページに全てまとめました。決済手数料の違いなど、よく確認しておきましょう。
芸術・アート専門のマーケットプレイス
Artmeter(アートメーター) - 国内最大級のインディーズアート専門オンラインマーケットプレイス
Artmeter(アートメーター)は、アーティスト自身が絵画を直接販売できる国内最大級のインディーズアート専門オンラインマーケットプレイスです。
登録・出品は無料で、独自の値付けシステムを採用しています。作品が購入されると、販売価格の55%が作家に支払われます。アーティストと購入者の交流も可能で、誰もが気軽にアートを楽しめる場を目指しています。
This Is Gallery - プロやアマチュアのアーティストが自身の作品を販売できるオンラインギャラリー
Thisisgalleryは、プロやアマチュアのアーティストが自身の作品を販売できるオンラインギャラリーです。平面から立体まで様々なジャンルの作品を取り扱っており、アーティストは無料で作品を登録・掲載できます。
購入者は気に入った作品をオンラインで購入でき、Thisisgalleryが仲介して作品を届けます。アーティストとアートファンをつなぐプラットフォームとして、より多くの人にアートを身近に感じてもらうことを目指しているサービスです。
まとめ
今回は、これから名を上げていくアーティストが芸術・アート作品をネットで販売する際におすすめのネットショップ作成サービス3選と、ハンドメイドマーケットプレイス、アート専門マーケットプレイスを紹介しました。
初心者におすすめのネットショップ作成サービスは「STORES」。シンプルで使いやすく、無料プランでも十分な機能が備わっています。「BASE」や「カラーミーショップ」は、デザインのカスタマイズ性が高いので、よりオリジナリティを出したい方に最適です。
また、ハンドメイドマーケットプレイスの「minne」「Creema」、アート専門マーケットプレイスの「Artmeter」「Thisisgallery」も、販路拡大のために検討すべきでしょう。ただし、集客やプロモーションは自分で行う必要があり、売上の期待値はそれほど高くないことに留意が必要です。
大切なのは、自分の作品の特性や販売戦略に合わせて、最適な販売チャネルを選ぶこと。ネットショップを主軸に据えつつ、補助的な販路としてマーケットプレイスを活用するなど、バランスを考えましょう。
駆け出しのアーティストが作品販売で成功するには、地道な活動の積み重ねが欠かせません。本記事を参考に、まずは一歩を踏み出してみましょう。
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