WordPressでネットショップが作れる、WooCommerce(ウーコマース)について、実際に試して個人的な感想や評価などをご紹介します。
はじめに
WooCommerceとは
WooCommerce(ウーコマース)とは、米国企業のAutomattic(オートマティック)が提供している、WordPressをネットショップ化できるプラグインのことです。
WooCommerceは基本料金無料で利用できます。あとは、利用に合わせて有料のテンプレート、機能などを追加して利用していく形です。
- 公式サイト:https://woocommerce.com
WordPressとは
レンタルサーバーにインストールして利用するブログのことです。当サイト推奨は、初期費用無料で使える「エックスサーバー」で月額1,000円程度で利用できます。※当サイトもエックスサーバーのサービスを利用しています。
WooCommerceを試してみた
実際にインストールから決済導入まで試してみました
実際に、WordPressにWooCommerceをインストールして、商品登録や決済機能の導入などを試してみました。
プラグインをインストールする
まずは「WooCommerce」をインストールします。
プラグインは「WooCommerce」で検索すればすぐに見つけることができます。「今すぐインストール」を押して「有効化」して「初期設定画面」に進みます。
初期設定をする
インストールが完了したら「住所」などの初期設定をします。
- ストアの詳細
- 業界
- 商品タイプ
- ビジネスの詳細
- テーマ
有料の拡張機能も提供されている
WooCommerceは、実在商品の販売やデジタルコンテンツのダウンロード販売など、基本的なECサイト構築に必要な機能を無料で提供しています。
さらに、より高度な機能を有料プラグインで追加することができます。例えば以下のようなプラグインがあります。
- 定期購入(WooCommerce Subscriptions)・・・279$/年
- 会員(WooCommerce Memberships)・・・199$/年
- 混合商品(Composite Products)・・・149$/年
- 予約(WooCommerce Bookings)・・・249$/年
これらのプラグインを導入することで、サブスクリプションモデルのサービス、会員限定コンテンツ、オーダーメイド商品の販売、予約システムなど、様々なビジネスモデルに対応できます。
プラグインの価格は年間149〜279ドルと少々高めですが、各プラグインの機能は非常に充実しており、国内サービスに引けを取らない高い完成度を誇ります。
ただし、必要のない機能まで導入するとコストが膨らむため、自社のビジネスモデルに合わせて必要な機能だけを厳選して導入するのが賢明でしょう。また、複数サイトで利用する場合はさらにコストがかさむので注意が必要です。
WooCommerceは手厚いサポート体制も期待できます。ただし、基本的に英語でのやりとりが前提となる点には留意しておきましょう。
WooCommerceは世界的に人気が高く、信頼性も抜群です。長期的に安心して利用できるでしょう。
国内サービスよりも進化のスピードは若干遅いかもしれませんが、コストと機能のバランス、将来性を考えれば、十分に価値のある選択肢と言えます。
導入前にはデモ動画などで実際の使用感をチェックし、自社に最適な組み合わせを見極めることをおすすめします。
必要十分な機能を、適正なコストで利用することが肝要です。DXの鍵を握るのは、賢明な選択眼と言えるでしょう。
また、2020年と2024年の価格を比較すると、定期購入プラグインと混合商品プラグインで大幅な値上げが行われていました。今後も価格が上昇傾向にある可能性を考慮し、長期的なコストを見据えた導入計画を立てる必要があります。
有料テンプレートも販売されている
WooCommerceに最適化された有料テーマの多くは、年間$79程度のサブスクリプション方式を採用しています。継続的な課金が必要になるため、コスト面では少々気になるポイントかもしれません。
しかし、有料テーマの多くは、定期的なアップデートと手厚いサポートが保証されています。機能面での充実さとセキュリティ面や操作面でのサポートは、ECサイト運営には欠かせない要素と言えるでしょう。
また、有料テーマは一般的に無料テーマよりも高度なデザインやカスタマイズ性を備えています。ブランドイメージに合ったオリジナリティあふれるECサイトを構築するには、有料テーマの導入を検討する価値があります。
とはいえ、無料テーマにも魅力的な選択肢が数多くあることを忘れてはいけません。「WooCommerce」をキーワードにテーマディレクトリを検索すると、1,000件以上ものテーマが見つかります。
もし有料テーマの継続課金が負担に感じるようであれば、無料テーマへの切り替えも可能です。
結局のところ、コストと機能のバランス、デザイン性や操作性、サポート体制など、総合的な判断が求められます。
自社に最適のWooCommerceテーマを選ぶためには、十分な比較検討が不可欠です。慎重に選択することで、ECサイトの将来を左右する重要な一歩を踏み出せるはずです。
商品を登録する
WooCommerceの商品登録画面は、直感的で使いやすいインターフェースになっています。
商品名や画像の登録はもちろん、在庫管理、送料設定、関連商品の紐付け、商品属性の設定など、ECサイト運営に必要な情報を詳細に設定できます。
実際に商品名と商品画像を登録してみると、想像以上にスムーズに作業が進みます。登録内容は商品ページにも速やかに反映されるため、効率的な作業が可能です。
WooCommerceには標準でレビュー機能が搭載されていました。購入者の生の声を掲載することで、商品の信頼性を高め、購買意欲を喚起することができるでしょう。
今回は「Orchid Store」というテーマを使用しましたが、WooCommerceの管理画面は、テーマによって大きく変わることはありません。どのテーマを選んでも、一貫した操作性が保たれるのは大きな魅力と言えます。
決済機能を導入する
初期費用、月額固定費無料で導入できる4つの決済代行サービス
決済代行サービス | 手数料 | 振込手数料 | 入金サイクル |
---|---|---|---|
Square(スクエア) | 3.6% | 無料 | \入金が早い/ 最短翌日 |
Squareは日本語サポートが充実している 最短即日導入可 |
|||
Stripe(ストライプ) | 3.6% | 無料 | 毎週 |
最短即日導入可 | |||
PayPal(ペイパル) | 3.6% + 40円/件 | 5万円以上:無料 5万円未満:250円/件 |
引出依頼から3~6営業日(国内) |
WooPayments決済 | 3.6% | Stripeに準拠 | Stripeに準拠 |
最短即日導入可 |
WooCommerceには、主に4つの決済代行サービス(Square、Stripe、PayPal、WooPayments)が導入可能です。
上の4つの決済代行サービスは、すべて初期費用、月額固定費無料で利用可能です。売れた場合にのみ、決済手数料が発生します。
国内での販売がメインであれば「Square」がおすすめ
国内での販売がメインであれば、決済手数料も安くて振込手数料無料、売上金が最短翌日には入金される「Square」がおすすめです。Squareは、国内法人が運営をしており、サポート面なども充実しています。
WooCommerceに導入できる決済代行サービスについては、「WooCommerceに導入すべき決済サービス徹底比較!ビジネスの成長に合わせた選び方」 にて解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
WooCommerceに決済サービスを導入する手順
WooCommerceにSquareを連携する手順はこちら。
-
WooCommerceとSquareを連携する方法!導入・設定・テスト注文までわかりやすく解説
「WooCommerce(ウーコマース)」に決済機能として「Square(スクエア)」を導入する手順をわかりやすく解説します。 これから実店舗に「Square」を導入する予定で、お店のブログを「Wor ...
WooCommerceにStripeを連携する手順はこちら。
-
WooCommerceとStripeを連携する方法!導入・設定・テスト注文までわかりやすく解説
「WooCommerce(ウーコマース)」に決済機能として「Stripe(ストライプ)」を導入する手順をわかりやすく解説します。 これから実店舗に「Stripe」を導入する予定で、お店のブログを「Wo ...
実際に利用してみた感想
WooCommerceのメリット
WooCommerceの基本機能の充実度は高い
WooCommerceを実際に利用してみて、まず感じたのは基本機能の充実度の高さです。無料で提供されている機能だけでも、シンプルなネットショップなら十分に構築できると感じました。
インターフェイスは、ほぼ日本語化されている
また、海外発のサービスなので日本語での対応が気になるところですが、インターフェイスに関しては、ほぼ日本語化されていました。ヘルプやサポートなどは英語がメインとなります。
決済手数料がリーズナブルな、Square、Stripeを導入できる
WooCommerceの大きな魅力の一つに、決済代行サービスの導入における柔軟性と手数料の低さが挙げられます。Square、Stripe、PayPalといった有力な決済サービスを、固定費なしで簡単に連携できるのは画期的と言えるでしょう。
特にSquareとStripeは、国内の主要なECカートと比べてもクレジットカード決済手数料が非常にリーズナブル。ECサイト運営におけるコスト削減は常に重要な課題ですが、WooCommerceなら決済手数料の面で大きなアドバンテージを得られます。
国内主要ECカートのクレジットカード決済手数料の比較は、「【2025年最新】ネットショップの決済手数料を比較!最安値サービスはコレ」 を参考にしてください。
デジタルコンテンツの販売などには適していると感じました
WooCommerceの販売に向いている商材としては、デジタルコンテンツのダウンロード販売などは向いていると感じました。
商品登録や決済設定など、基本的な設定はわずか数ステップで完了します。複雑なバックエンド処理も不要なので、手軽に販売を開始できるのは大きな魅力ですね。
WooCommerceのデメリット
実在商品の販売などは国産サービスには及びません
一方で、実在商品の販売となると、少し状況が変わってきます。注文を受けてからの一連の業務、いわゆるバックオフィス関連の機能については、WooCommerceは国内サービスに一日の長があるように感じました。
在庫管理、受注処理、配送手配、顧客対応など、ECサイト運営には欠かせない業務の効率化という点では、国内サービスの方が、充実しています。この点は、WooCommerceを選ぶ際の留意点と言えます。
日本の商圏にあわせた機能なども国内サービスには及びません
また、日本のECカートでは当たり前のように搭載されている、ポイント機能、複数配送先指定、名入れ機能など、日本の商圏にあわせた機能などに関しても、国内サービスには及ばないと感じました。
とはいえ、プラグイン(拡張機能)という強力な武器もある
バックオフィス系の機能拡張も、適切なプラグインを導入することで実現可能なケースもあります。コストとのバランスを考えながら、必要な機能を追加していくという選択肢もあります。
セキュリティ面は気になるポイント
さて、セキュリティ面についてはどうでしょうか。これは少し気になるポイントです。ビジネスでWooCommerceを使う場合、セキュリティ対策は重要な検討事項となります。
「WordPress 改ざん」などのキーワードで検索してみると、いくつも事例が見つかります。自社でセキュリティ対策ができる知識と体制があれば問題ありませんが、そうでない場合は信頼できる業者に依頼する必要などもありそうです。
WooCommerceの口コミ・評判
WooCommerceに関する気になる口コミなどをピックアップしてご紹介します。
WooCommerceは、デジタルコンテンツの販売などにも採用されているようです。下記は、WordPressの人気テーマである「SWELL」の開発者による投稿となります。
WooCommerceでのインボイス対応はこれでなんとかなりそうです!ありがとうございます!https://t.co/Vkq9ywaBjL
— 了 SWELL | Arkhe開発 (@ddryo_loos) October 12, 2023
Stripeは、海外通貨での決済の対応可能なので、越境EC向けのカートとして採用している方も多いです。
Stripe Conectで越境EC&アフィリエイトの
仕組みを作り中ですただ、Woocommerceなので
自分で色々やらないといけないんですよねStripeは外貨から円への変換など仕組みとしても
よくできているのと
サポート窓口が親切で助かっています♪— 佐々木 康友デザインとマーケティングの二刀流 (@Zenigame89) February 16, 2022
クラウドサービスとは違い、セキュリティ面は自分で管理する必要があります。
WooCommerceの脆弱性は怖いわー。ご利用の方はご注意!
【セキュリティ ニュース】「WooCommerce」向けソーシャルログインプラグインに脆弱性 - パッチ未提供(1ページ目 / 全1ページ):Security NEXT https://t.co/9HW9Mw38VL
— たにぐち まこと/学ぶ。をちゃんと (@seltzer) June 5, 2024
WooCommerceを選ぶ際の判断基準
WooCommerceをあえて利用するメリットはあるのか?
WooCommerceは確かに使いやすく、手軽に始められるプラットフォームです。しかし、それだけでは利用するメリットとしては不十分かもしれません。
例えば「BASE」「STORES」など方が、無料でネットショップを開業できるサービスを利用したほうがもっと手軽で簡単に使えると言えます。
初期費用、月額無料で使えるネットショップ作成サービスは、「【2025年最新版】無料ネットショップ開設サービス徹底比較!おすすめアプリをご案内」 にて詳細に比較しています。
また、コストパフォーマンスの面でも、レンタルサーバーの維持費や有料プラグインの導入を考えると、決して安いとは言い切れません。
月額有料も含めたECカートの比較は、「【2025年最新版】ECショッピングカートを完全比較!よくわかる比較表で違いが一目瞭然」 を参考にしてください。
WooCommerceはこんな方におすすめ
というわけで下記のようなケースの方にオススメです。
- デジタルコンテンツの販売。
- 会員制の画像や動画配信サービス。
- サブスク系のオンラインサービス。
- 複雑な資料請求や見積もりサイト。
- 海外の通貨に対応した越境ECサイト。
既存のネットショップASPでは対応できない方向け。カスタマイズして利用する場合には最適なサービスです。
個人的には、有料テンプレートとかオンラインサービスの販売などで、購入者に対してバージョンアップの提供が必要な場合などに活用したいと思いました。
また、WooCommerceを利用すれば、リーズナブルな決済手数料でクレジットカード決済を導入できるのも大きなメリットです。
Stripe、PayPalに関しては、海外の通貨での決済にも対応できるため現地にローカライズした越境ECサイトとしての運用にも対応できます。
ただし、無形商品を販売する際には、Square、PayPal、Stripe、などは、アカウント凍結の報告も増えているので注意してください。
詳しくは、「2024年版|無形商品が販売できるネットショップを解説[占い・悩み相談・代行業など無形サービスの販売方法]」 の記事も参考にしてください。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
また新しい情報などあれば更新していきます。